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鰹節のあれこれ

鰹節

鰹節は昔から日本の食文化を支えてきた食材の一つです。鰹節にもいくつか種類があり、最高級とされる本枯節。大衆的に使われてきた荒節、今では生節やなまり節と呼ばれる包丁で切れて手軽に味わえる鰹節もあります。

本枯節や荒節がどんな料理に使われているか、相性がいい食材などを紹介してほしいとのご依頼があったので、自分が普段使っている鰹節の種類から使い方まで紹介していきたいと思います。

料理のメインになりにくい鰹節ですが、相性の良い食材と合わせて食べることで1+1=2ではなく、4や5の味になる食材です。まさに味の相乗効果を感じれます。それは味だけではなく健康面から見ても理にかなっている食材です。

今でこそ高級品・嗜好品というイメージが強くなっていますが、本来鰹節は我々日本人の身近なものであり、常に寄り添ってくれているものです。身近な存在として、日々の手料理に少しでも活用していただく機会が増えれば幸いです。

本枯節と荒節の違い

  • 大きく違うのはカビをつけているか、いないかです。カビといっても鰹節専用のカビですので食べても問題ありません。カビをつける理由は
  • 腐敗を防ぐ
  • 薫香をマイルドにし、鰹節特有の香りが出る
  • 鰹節の水分を抜き、味を凝縮させる
  • 食品に使われるカビはいろいろあります。酒・チーズ・みそ・納豆など、発酵という現象を利用して旨味を引き出すものがあります。鰹節のカビもその一種で、「カワキコウジカビ」と言います。このカワキコウジカビの特徴は、鰹節にとってちょうどいい発酵具合で働いてくれます。発酵が進みすぎてたんぱく質が分解されすぎるとアンモニア臭がしてしまいます。そうならないようなちょうどの具合で発酵します。

本枯節にあう料理

  • 炊き立てのご飯にかけることで、ご飯の温度で鰹節の香りが一層引き立ちます。また、お豆腐やオニオンスライスの上にかけるなど、シンプルで王道な食べ方が、本枯節そのものの味を味わっていただけます。
  • こだわりの一品、贅沢をしたいとき、お正月や節句などのお祝い時には本枯節でとった出汁を使います。お吸い物やお蕎麦など、繊細な食材の味を強くしてくれます。味を邪魔せず、強調してくれるのも本枯節の特徴の一つです。1+1=2以上の味を実感していただけること間違いなしです。
  • 削りたてがなぜ美味しいかは、「香り」と「鮮度」が段違いに違うからです。「香り」は削った瞬間、空気と触れる新しい面から出てきます。その香りは削り立てでしか味わえません。「鮮度」の面では、本枯節は水分量が約16%ですが、それが削り節になった瞬間から削り節の乾燥は始まります。削り節(薄削)の厚さはほとんどが0.05mmととても薄いです。
  • 弊社の取引先としても、本枯節は蕎麦や鰹節丼を提供しているお店に出荷していることが多いことからそのことは伺えると思います。  

荒節にあう料理

  • 日常的に、幅広く、たくさんの料理に使える鰹節です。今や高級品・嗜好品と言うイメージが強いですが、昔から鰹節削り器が一家に一台あったようにその文化は日本そのものです。どんな料理にも、どんなシーンにもあったあたりまえの味を感じていただきたい。
  • 薄く削った「花かつお」の使用方法として定番なのは、お好み焼きやたこ焼きです。熱い料理にふりかけることで、鰹節の香りが引き立つとともに花が舞い、視覚的にも食欲を掻き立ててくれます。
  • 毎朝のお味噌汁にはぜひ使っていただきたいと思います。厚削りはお湯が沸騰したら鰹節を入れ、お湯の中でゆっくり舞う程度に火加減を弱めます。5分くらいに出してあげると力強いだしが取れます。水1リットルに対し30gが目安とされています。3%と覚えていただければと思います。
  • カレーを作る工程でも、具材を煮込むときに厚削りを使用することで出汁カレーを作ることができます。僕自身も小さい頃から食べてきた味です。お試しいただければ幸いです。
  • 使い方は出汁パックに入れて出汁を取るのが一般的・日常的ですが、ある料理人は出汁パックを使った時と使わない時の出汁の味が違うと感じ、味の数値化を実施したところ違いがあることが発覚したとの報告もあったとかなかったとか、、、ご興味がある方は一度お試しあれ。
  • 弊社の取引先としても、荒節は蕎麦や鰹節丼を提供しているお店に出荷していることが多いことからそのことは伺えると思います。

納品する飲食店のジャンルで違うこと

  • 先ほどから申し上げている通り、本枯節は蕎麦屋、荒節はうどん屋などに多く出荷している印象があります。

本枯節の特徴

  • 最高級な鰹節という意味が、「香り」「味」「舌触り」から感じられるものです。カビの作用により、薫香が抑えられ、凝縮された鰹節の味をダイレクトに感じることができます。
  • 完成までに半年間という期間を要し、ゆっくりと鰹節に含まれる水分をカビが吸収します。その過程で、味が凝縮されるとともに、多く含まれるタンパク質が分解され、旨味成分が増加します。

荒節の特徴

  • 燻煙の香りが強く、鰹節らしい魚介類系の出汁の味。雑味というのは、たくさんの味が複雑に入り混じることで「コク」に変わります。鰹節に関して「雑味」というのは良いもので、それを利用する料理もたくさんあります。
  • 1ヶ月ほど焙乾して完成します。鰹節らしいスモーキーな香りが特徴的です。出汁用としてはお味噌汁やうどん、我が家ではカレーの食材を煮込むときに出汁を使います。
  • 煮込み系の料理には用途がたくさんあります。お鍋や角煮など、鰹出汁を使って素材そのものの味を強調してくれる役割を存分に感じていただきたいと思います。

新節

鰹節粉

  • 鰹節粉は、荒節や本枯節を薄く削った時に出る粉を商品化したものです。粉状なので、ひとつまみ料理に加えるだけで簡単に鰹節の旨味を付け足すことができます。即席麺類などに付け足すだけで、味とコクが上がります。
  • 一味や七味に胡麻油を入れて旨味を抽出するラー油のように、鰹節粉にサラダ油を入れて漬け込んでおくことで出汁の効いたオイルが完成します。卵焼きなど作ると、いつも作っているものがだし巻き卵になります。

焼きかつお

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生まれ育った田舎で3代目の製造業をやっています。30歳で前職のサラリーマンを退職し、家業を営む傍らブログを書いています。 前職ではパソコンに携わる機会が多かったこともありましたが、もともとパソコンを触ることが好きだったこともあり、思い切ってブログを運営することを決めました。